CGパースは、日本より手描きパースの歴史の浅かった韓国の方が浸透が速かったと聞いています。
そして韓国を上回るスピードでCG化したのが中国です。
日本のパースを格安で受注し、中国で大人数のCGオペレーターを使って制作するという方法で、パースの価格破壊をやってくれました。
向こうでは当然CG一色らしく、たまに日本人の手描きパースが出されると喜ばれるとのこと。

このような中国ですが、手描きの時代が無かったというわけでもありません。

china3は1993年中国で出されたパースの冊子です。設計事務所や大学生が描いたものの他、後半には20点近くの日本人制作のパースが載っており、これは日本で出版された本から無断で転載されたものだそうです(この画像もいけません)。
まだ私が故種橋重次氏の下で働いていた時、中国で海賊版が出たという話と共にこれが持ち込まれました。日本側のパースを見ると、師匠の種橋氏を始めとしたベテランたちの手腕に今更ながら感心します。
しかし、中国側も私より上手い人が多いのです。CGの発達が遅かったらどれ程の手描きパースの達人が育ったろうかと思います。

このような本から「種橋建築設計事務所」を知ったのでしょう、就職してパースを学びたいという中国の学生(大学院生?)から手紙が届いた事があります。あいにく日本の入国条件が厳しくて実現しませんでしたが、あの学生さんは今頃どうしているでしょうね?
ひょっとしたらCGパース会社を興して日本にも進出しているかも。