実は透明水彩描法は十数年前から始めた全くの自己流で、効率の良い塗り方を知りません。
手前にあるものから塗ると聞いたことがありますが、それでは全体の調子をとりにくいので、
面積が大きくて奥にあるものから塗っています。もう一つの描き方、つまり不透明水彩と同じく、
空→奥の添景(緑・隣地建物)→建物本体→手前の添景(緑・車・人)の順です。
その不透明水彩で描いたパースは今はもうほとんど見ません。
ですが私のパース歴はそこからスタートして10年以上描いていたのです。
まもなく終わる平成に重ねあわせて(?)記念に手順を残したいと思います(フォトショップ使用)。

不透明水彩絵の具(ガッシュ)がありますが、教わったのは透明水彩絵の具にポスターカラーのホワイトを混ぜて不透明色を作る方法です。
広い空はガッシュの青とポスターカラーのホワイトを混ぜていました。植栽の緑もガッシュです。

1、まず空を塗ります。
青空は3段階の青色をそれぞれの筆で作っておきます。濃さは紙に塗って下の色が透けない位。
本体建物をマスキングフィルムでカバー。
   ↓
1の青色を中央から左右にのばし大急ぎで絵の具を補充しながら1の下まできたらもう一度上に戻り、
今度は左端から右端までにそっと均しながら下っていきます。
色の変わり目は2の筆で1の色を少しすくい、上下の色を紙の上で混ぜるようにのばす。
次に色を補充するときは2の青のみを塗って均して下る、を繰り返します。
絵の具はどんどん乾くのでスピードが勝負です。
最後の色を塗ったら完全に乾くのを待ちます。お茶でも飲んで心を鎮めましょう。
   ↓
乾いた後、絵の具の変わり目が少し目立つ位ならエアブラシで境界の色を吹いて修整します。
変わり目が大きく目立つならそこに雲を描きましょう。
それでもだめなら、流し台に持って行き絵の具を全て洗い流します。
(キャンソンボードに描く場合。水張りしたのでも多分大丈夫。)
マスキングフィルムもそのままで、乾いたらまた絵の具を塗ることができます。
   ↓
次に雲を描きます。
横方向の大きい雲は青を塗る段階で一緒に描きますが、小さい雲は空が完全に乾いた後で描きます。
筆・スポンジ・エアブラシなどを使用。

空が上手くできたら半分成功したようなものです。
残った絵の具はビンに集めて次回も使用可能。
皿は絵の具を付着したままで残しておきます(後から空にはみ出た色を消すため)。
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